耐震診断が必要な建物
①新耐震設計法に関して
大地震の被害状況の検証から、耐震設計基準が1981年に見直されました。
すなわち、耐震診断は1981年以前の旧基準で設計された建物が対象になります。
新耐震設計法では以下の3点が強化されました。
- 地震力の分布の見直し
- 剛性バランスの確保
- 建物のねばり強さの確保
②Is指標に関して
耐震設計において、耐震性能はIs指標という共通の尺度で表現しています。
Is指標は数字が大きくなるほど耐震性能が優れていますが、通常の建物はIsが0.3~1.2付近に分布しています。
Is指標が0.6以上の場合、震度5~6程度で小破を超える被害がほぼ無かったと考えられます。また震度7で中破を超える被害を受けなかったと報告されています。
建物を耐震補強する場合、耐震指標の判定基準は通常Isを0.6以上としていますが公共性のある建物や重要度の高いインフラ(発電所等の社会資本)はIsを割増した数値(例えば1.0)を目標値として設計しています。
※本レポートはわかり易く簡潔な説明を意図した為、厳密な技術表現とは異なりますので御了解願います。